神奈中バス思い出車両めぐり 新塗装車(思い出車両)

 こちらでは、直線的にマイナーチェンジされた1987年上期車以降の新塗装車を紹介したいと思います。この新塗装車もすでに多くの廃車が発生し、「カナちゃん号」も過去のものとなりました。作者の推測で、廃車になったであろうと考えられる車両を現役車両ページから移動しています。

2010/6/27 更新 せ75を追加しました。


三菱車

カナちゃん号
1987年上期車 三菱P-MP218N(お63 舞岡)

 ちびっこギャラリーバス「カナちゃん号」です。カナちゃん号は、神奈中の全営業所に投入され、登場直後は愛称がありませんでしたが、後に「カナちゃん号」となりました。舞岡営業所では、「お62」・「お63」が登場しましたが、「お62」は1997年下期に廃車、「お63」は2001/7に廃車となっています。車内には、自然風景や催し物の写真が、以前は沿線の学生による絵も飾られていました。画像は、舞岡営業所で投入された長尺車(N尺、軸間5.8m)ですが、営業所によっては中尺車(M尺、軸間5.3m)で投入されたところもあります。なお、2001/7に廃車となった「お63」のホイールキャップは、その後スヌーピーバス(お62)にしばらくの間再用されました。

いすゞ車
1987年上期車 いすゞP-LV314N(ふ46/ふ21 藤沢)


 アイ・ケイ・コーチ製の車体を架装する1987年上期車です。この1987年式まではエンジンルーバーの丸みが大きく、全体の四角いイメージとは好対照です。いすゞ大型車は、ドア側にエンジンルーバーがあるのが特徴です。
1988年上期車 いすゞP-LV314N(ふ57 藤沢)


 この年式から、エンジンルーバーの丸みが小さくなり、後部にブレーキランプが増設されています。1988年下期車までほぼ同仕様で増備されていました。キュービックボディとしては、1988年下期車が最後の長尺車となりました。戸塚バスセンターにて撮影
1990年下期車 いすゞP-LV314L(ふ15 藤沢)


 1989年上期車から短尺(L尺、軸間5.0m)が採用されるようになりました。このグループは、屋上に薄型エアコンユニットが付いているのが特徴です。1990年上期車までほぼ同仕様で増備されていました。戸塚バスセンターにて撮影
1992年上期車 いすゞU-LV324L(ふ1 藤沢)



窓柱が黒くなったLV324。エンジンルーバーは角の丸みがなくなった。

 1990年下期車からこの仕様で、ドア窓の丸みが小さくなり、側窓の窓柱が黒くなるなどの変化が出ました。また、1990年上期車までのスリムエアコンがなくなり、1988年式以前のイメージに近くなりました。エンジンルーバーは、LV324の初期車が今まで通り丸み付きで、増備の途中から四角くなっています。画像は、1992年上期車で車内に補助席が備えられていたタイプです。


1994年下期車 いすゞU-LV324L改(せ86 綾瀬)


新ステップ付きのLV324。それほど台数はいなさそう。

 前扉に新ステップを装備しているグループです。外見は以前の車両と比較してもそれほど変化がありませんが、LV324系としては最終のグループとなります。湘南台駅西口にて撮影


1997年上期車 いすゞKC-LV380L(せ75/せ129 綾瀬)


側窓が2連型となり大きくイメージが変わったLV380。

 このグループから車体メーカーがいすゞバス製造に変わり、型式もLV380系となりました。側窓が2連型のユニットサッシとなり、窓上にも黒いラインが入り格好良くなりました。中扉の開口部上側に丸みがないのも特徴的です。後部ウインカーは大型化され、屋根上の横流ファンの数が減りました。前面では、運賃支払い表示器の出っ張りが小さくなり、バンパーにコーナリングランプが追加されています。なお、車両の長さに最短尺を選択するようになり、L尺という今までと同じ呼びですが、寸法は軸間5.0mから4.8mに変わりました。近年行き先表示機がLED化されていました。


1997年下期車 いすゞKC-LV380L(せ59/せ39 綾瀬)>


戸袋窓や運賃幕にマイナーチェンジが見られるグループ。

 このグループから戸袋窓の上下寸法が小さくなり、中扉開口部の上部に丸みが付くようになりました。また、前扉横の丸いバックミラーが大きくなり、正面の運賃支払い表示器も「前払い」「後払い」という表示に変わり、黒幕となりました。湘南台駅西口にて撮影


1998年下期車 いすゞKC-LV380L(せ130 綾瀬)


当初からミントグリーン色座席の1998年下期車。

 このグループから車内の座席の色が従来の赤色からミントグリーン色に変わりました。また、アイドリングストップアンドスタートシステムをこのタイプから装備するようになり、「エンジン自動停止バス」などの青いステッカーが貼られています。湘南台駅西口にて撮影


1999年上期車 いすゞKC-LV380L(ふ93 藤沢)


側面行き先表示窓が固定窓となったキュービック最終グループ。

 このグループが「いすゞキュービックバス」と呼ばれる従来モデルの最終グループとなります。側面行き先表示窓が固定窓になりました。戸塚バスセンターにて撮影


1987年上期車 いすゞP-LV314N(や66 大和)

 富士重5E車体を架装する1987年上期車です。5E車体のいすゞ車は、屋根上にクーラーユニットが無いのが特徴となっていました。また、この新塗装車からヘッドライトが角目になったので、日産ディーゼル車とは正面から区別できます。この富士重系のいすゞ車は、1988年式まで、長尺のN尺と中尺のL尺がありました。南林間駅にて撮影
1988年上期車 いすゞP-LV314L(や99 大和)

 丸っこい富士重5Eと呼ばれる車体を架装している車両です。この年式から後部にブレーキランプが増設されていました。画像のような短尺車(L尺、軸間5.0m)のほか、長尺車(N尺、軸間5.5m)もあります。鶴ヶ峰駅にて撮影
1988年上期車 いすゞP-LV314N(は89 秦野)

 この年式まで長尺(N尺)車があり、そのグループです。短尺車と比較すると側窓の広さや数などで見分けることが出来ます。古参車ですが、晩年は転属によって様々な営業所で活躍したようです。秦野営業所にて撮影
1988年下期車 いすゞP-LV314L(や61/や93 大和)


 このグループから四角い7Eと呼ばれる車体を架装するようになりました。この1988年下期車のみは、側窓の上部に黒いラインが入っていて、1989年式以降の車と異なります。また、7E車体のいすゞ車は短尺のL尺(軸間5.0m)のみが在籍し、5E車体まで見られた長尺のN尺は存在しません。
1989年上期車 いすゞP-LV314L(や46 大和)

 このタイプから側窓上部の黒ラインがなくなりました。1990年上期車までほぼ同形態で増備されました。大和営業所では最もポピュラーなタイプといえそうですが、富士重車体のいすゞ車で屋根上にクーラーユニットを搭載しているのは、1988年下期車とこのグループ(1989年上期〜1990年上期)だけなので、そういった意味では貴重な存在となっています。南林間駅にて撮影
1991年上期車 いすゞU-LV324L(は39 秦野/せ60 綾瀬)

 型式が変わり、LV314系まで見られた屋上のクーラーユニットがなくなりました。また、屋根上のラインデリアが変則的間隔に並んでいて、特徴的です。エンジンルーバーはパンチプレスの真四角となりました。
1992年上期車 いすゞU-LV324L(や45 大和)

 このグループは車内に補助席があります。通常の路線車としての使用時は折り畳まれ、カバーが掛けてあります。ドア側窓配置も以前のタイプと異なり特徴的です。前扉〜側面行き先表示窓の間に窓が2つあるので、少し長くなったように見えますが、一番後の側窓が細くなっており、中扉が後に寄っているのが分かります。大和営業所にて撮影
1997年上期車 いすゞKC-LV380L(は10 秦野)

 神奈中の富士重系いすゞ車は、このグループからLV380系となりました。長さ関係は、純正車と同じで最短尺が選択されています。LV324系と比較すると、正面のマーカーランプが廃止されて、扉の両側に黒いラインが入るなど変化が見られます。秦野営業所にて撮影
1998年下期車 いすゞKC-LV380L(せ131 綾瀬)

 車内の座席がミントグリーンとなり、アイドリングストップアンドスタートシステムを装備しています。綾瀬営業所にて撮影
1999年上期車 いすゞKC-LV380L(ち6 茅ヶ崎)

 このタイプから側面行き先表示窓が固定となりました。なお、7E車体は2000年下期にモデルチェンジしたので、従来の7E車体はこのグループが最後となりました。辻堂駅南口にて撮影

日産デ車
1987年上期車 日産デP-U32N(あ86 厚木)

 富士重5E車体を架装した1987年上期の長尺車です。新塗装の長尺車(N尺、軸間5.5m)なU32は、厚木営業所のみの投入で1987年式だけの存在です。5Eの日産デ車は、屋根上にクーラーユニットがあり(いすゞ車はなし)、正面のヘッドライトが丸いので(いすゞ車は角目)、同じ5E車体を架装したいすゞ車とでも容易に区別ができました。厚木営業所にて撮影
1988年上期車 日産デP-U32L(や81 大和)

 富士重5E車体を架装した1988年上期の中尺車です。この年式から中尺のL尺(軸間5.2m)で投入され、後部にブレーキランプが増設されていました。長尺のN尺車と比較すると、側窓の広さや数で長さの判別ができます。南林間駅にて撮影
1988年下期車 日産デP-U33L改(は76 秦野)

 この年式から富士重7E車体を架装しています。この1988年下期車のみは、側窓の上部に黒いラインが入っていて、雨樋の一番前に丸みがあるなどの特徴があります。秦野営業所にて撮影
1989年上期車 日産デP-U33L改(は97 秦野)

 このグループから、側窓上部の黒ラインがなくなり雨樋の一番前が直角となりました。これで近年の仕様に近くなり、1989年下期車・1990年上期車もほとんど同じ仕様で増備されています。秦野営業所にて撮影
1989年下期車 日産デP-U33L改(は102/旧は47 秦野)

 1989年上期車とほとんど同じ仕様で増備されています。近年、ディーゼル車規制が行われたため、このような古参車でもDPF(粒子状物質減少装置)の装着が行われています。秦野営業所にて撮影
1990年上期車 日産デP-U33L改(は20 秦野)

 神奈中の富士重7E車体を架装する日産デ車は、横浜市営や京急などとは違い、中扉が前寄りとなった窓配置を採用しています。このため、中扉より後ろの側窓が4枚均等幅になっているのが特徴です。U33系は、エンジンルーバーの四隅に丸みがあります。秦野営業所にて撮影
1992年下期車/1993年上期車 日産デU-UA440LSN改(は68 秦野/や88 大和)

 1991年上期車から1993年上期車まで増備されたUA440系のグループです。エンジンルーバーはプレス穴となり、角にRがない真四角となりました。神奈中における日産デ車は、同じ富士重7E車体を架装するいすゞ車(LV324以降)と異なり、屋根上にクーラーユニットを備えているのが特徴で、いすゞ車とは容易に区別が可能です。画像はフロントが1992年下期車(は68 秦野)、リヤが1993年下期車(や88 大和)です。なお、1992年上期車は補助席を装備しています。
1994年下期車 日産デU-UA440LSN改(は71/は34 秦野)

 UA440系のうち、前扉に「新ステップ」を装備するグループです。1994年上期車・下期車がそれで、これらの車両は秦野・大和の両営業所に在籍します。なお、1994年上期車の一部は藤沢神奈交バス(大和)に委託されています。秦野営業所にて撮影
1997年下期車 日産デKC-UA460LSN改(旧は73/は75 秦野)

 UA460系のグループです。車高灯(マーカーランプ)がなくなり、前面の運賃支払い表示幕が黒幕となりました。また、前・中扉の両側に黒いラインが入ったほか、リヤではウインカーが大型化されています。屋根から長く下がっていたフック状の部品もなくなっているのが分かります。なお、画像の「旧は73」は現在湘南神奈交バス(秦野)に移籍し、「か1018」に改番されていますが、このような車両は2台(か1017・か1018)が存在します。UA460系は秦野・平塚の両営業所のみの在籍です。秦野営業所にて撮影
1998年上期車 日産デKC-UA460LSN改(は106 秦野)

 UA460系の最終グループです。三菱車の同年式は車内座席がミントグリーン色(舞岡・横浜)やグリーン色(戸塚)が採用されましたが、日産デ車は従来通り赤色座席が採用され、前年式とほとんど同じ仕様で増備されています。本グループは秦野営業所にのみ在籍しています。秦野営業所にて撮影

日野車
1988年上期車 日野P-HT236BA(い45 伊勢原)

 日野の長尺車です。他のメーカーと同様に1988年上期車から後部にブレーキランプが増設されています。また、1987年式までは丸みがあった中扉窓が真四角となりました。
1988年下期車 日野P-HT236BA(い79 伊勢原)

 1988年上期車までは、運賃支払い表示幕の部分の支持方法がHゴムで、一段凹んでいましたが、この1988年下期車から同一面になるように変更され、スマートになりました。また、長尺車(軸間5.67m)はこのグループが最後となっています。
1989年上期車 日野P-HT235BA(い83 伊勢原)

 この年式から従来の長尺をやめて中尺(軸間5.2m)で投入されることになりました。中扉窓の押さえ金が黒くなり、締まった印象となっています。伊勢原営業所にて撮影
1989年下期車 日野P-HT235BA(い69 伊勢原)


▲ちょっとごっつい表情のP-代車最後のグループ。

 現在の最古参グループです。前面方向幕周りの処理がU-/KC-車と異なり、四角い感じの表情となっています。また、乗務員室の上部が車体色に塗られているのも後の車両と異なる点です。伊勢原営業所にて撮影


1991年上期車 日野U-HT2MMAA(い29/い47 伊勢原)


▲方向幕周辺が丸くなり、表情が変化したU-代車グループ。

 HT2M系のグループです。運転室窓上部のコルゲーション(凸凹模様)が黒くなり、前面行先表示周辺の処理が変わったため、表情が変わりました。


1994年上期車 日野U-HT2MMAA改(い70 伊勢原)


▲ちょっと貴重な「新ステップ」付きU-代車。角型ヘッドライト等でちょっと表情に変化が。

 HT2M系のグループのうち、前扉に「新ステップ」を装備するグループです。1994年上期車の「い70」と1994年下期車の「い86」の2台が在籍します。ヘッドライト・フォグランプが角目となったほか前面通風口が大型化され、表情がさらに変わりました。前扉直後の窓柱も太くなっているのが分かります。2台とも車内座席がミントグリーンに更新されています。また、リヤの屋根から下がったフック状の金具が撤去されていますが、他の年式においても撤去された車両が見られます。伊勢原営業所にて撮影


1996年下期車 日野KC-HU2MMC改(い9 伊勢原) 1997年上期車 日野KC-HU2MMC(い91 伊勢原)


▲黒ワイパーで今風になったKC-車。

 このグループから型式が変わり、前面はワイパーが黒色になり近代的になりました。リヤではウインカーが四角く大きい物となったり、屋根上のラインデリアの数が減っています。車内では降車ボタンの形が変更され、音色も変わりました。1997年上期車からは、正面の運賃支払い表示器の黒縁が若干太くなったようです。


1997年下期車 日野KC-HT2MMC(い64 伊勢原)


▲黒運賃幕でさらに表情に変化が出た1997年下期車。

 運賃支払い表示器が以前の「運賃前払い」・「運賃後払い」という表示から「前払い」「後払い」という表示に変わり、黒幕となりました。伊勢原営業所にて撮影


1998年下期車 日野KC-HT2MMC(い81 伊勢原)


▲近年まで「最新車」だった一台。1998年式で二段窓というのが良いです^^

 1台のみの1998年式です。アイドリングストップアンドスタートシステムを装備し、車内の座席がミントグリーンとなりました。外見上では、中扉窓が天方向に拡大され押さえ金が廃止されています。伊勢原駅南口にて撮影


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