相模鉄道バス車両めぐり 三菱車

 こちらでは、相模鉄道に在籍する三菱車を紹介したいと思います。相模鉄道における三菱車は、横浜(旧西横浜)営業所と旭営業所に在籍します。すべて純正車で、車体メーカーは新呉羽自動車工業と1993年下期に新呉羽が社名変更した三菱自動車バス製造の2種類があり、形態的にはエアロスターK・エアロスターM・ニューエアロスターと呼ばれる3種類に大別できます。なお、三菱の路線車は相模鉄道にのみ在籍し、相鉄バスの車両はありません。

2005/02/13 更新 1301号車をアップ、1551号車は非公式側画像を追加です。


1985年上期車 三菱P-MP218M(1551 西横浜)



▲中扉直後の窓が特徴のグループ。「1551」と「1552」の2台がいた。

 1985年上期車は、旧西横浜営業所の「1551」と旭営業所の「1552」の2台のみ在籍しました。外見上、中扉直後の側窓が特徴です。車内では、エアコン吸気口が3分割タイプであり、「1551」は手すりにゴムが巻いていないことや「1551」と「1552」で中扉開閉ブザの音色が違うなどがありました。1992年頃には更新工事が行われ、車内座席の変更などがされています。「1551」は西横浜営業所廃止まで活躍し、2台とも1997年に廃車となりました。相鉄の三菱車は室内エアコン吹き出し口(座席上)が神奈中などで採用されている丸型ではなく、ガラリ状となっているのが特徴です。


1985年下期車 三菱P-MP218M(1555 西横浜)


▲中扉直後の窓が変更されたグループで、全車西横浜に在籍した。

 1985年下期車は旧西横浜営業所にのみ在籍し「1553」〜「1556」まで存在したのはなかったかと思います。仕様的には扉直後の側窓が上段固定下段可動窓に変更されています。車内では、エアコン吸気口が2分割タイプに変わりました。やはり更新工事が行われ、座席の交換などが行われたあと、1997年に全車廃車となりました。横浜駅西口にて撮影


1986年上期車/下期車 三菱P-MP218M(1602/1603 旭)


▲上期車と下期車で外見が大きく異なっていた。全車旭に在籍した。

 1986年式は旭営業所にのみ存在し、上期車(呉羽自動車工業製)は「1601」・「1602」の2台のみで車内は木床です。「1603」以降は下期車で車体メーカーも新呉羽自動車工業となり、側窓のサッシ形状が変わって、車内もリノリューム張り床となりました。いずれも更新工事が行われたあと、上期車は1998年に廃車、下期車は1998年〜1999年にかけて廃車となりました。


1987年上期車/1988年上期車 三菱P-MP218M(1701 西横浜/1806 旭)


▲西横浜オリジナルの1987年式は1986年下期車に比較的近い形態。1988年式は西横浜・旭の両営業所に在籍。

 三菱P-MP218M(左が1806・右が1701)です。1987年式は横浜(旧西横浜)営業所にのみ在籍しました。基本的には1986年下期車と同仕様です。1988年式のグループは、横浜(旧西横浜)と旭の両営業所に在籍し、後部にブレーキランプが増設され、前扉の前にあるバックミラーの枝の形が変わりました。ドア窓にある「自動扉」という表示は、1988年式が最後となりました。横浜駅西口にて撮影


1989年上期車 三菱P-MP218M(1909 旭)

 1989年式から画像のようにフォグランプが四角くなり、後部ベンチレーターの車内側が従来の金属製から樹脂製に変わり、丸みが強くなりました。この年式から車内の降車ブザーの形が変わったのではなかったかと思います。1990年上期車もほぼ同仕様です。なお、画像右は横浜(旧西横浜)営業所に在籍したイベント塗装車「GREENBOX」(1901〜1903)で、こちらは側窓に上段引き違い・下段固定の黒色サッシ窓が採用されていて、外見が全く異なりました。
1991年上期車 三菱U-MP218M(1107 旭)

 型式がU-MP218となり、エンジンルーバーが今までの網タイプ(角に丸み)からパンチプレスタイプ(真四角)に変わりました。また、従来のベンチレータに変わって丸型換気扇が搭載されるようになったのがポイントです。1990年下期車〜1992年下期(1201〜)までほぼ同仕様で増備されています。
1993年上期車 三菱U-MP218M(1301 横浜[旧西横浜])

 この年式からボディスタイルが三菱自動車工業と共通化されたため、新呉羽自動車工業製でも「エアロスターM」タイプに移行しました。横浜市中心部ではこのスタイルが今までなかったため、このボディの登場は大変驚かされました。なお、トミーテックから発売の「ザ・バスコレクション第4弾」で模型化された「1304」は当グループ内の車ではないかと思われます。横浜駅西口にて撮影
1994年上期車 三菱U-MP218M(1402 旭)

 1994年上期車のグループです。ボディスタイルは1993年式と殆ど変わっていませんが、車体のメーカーは従来の新呉羽自動車工業から三菱自動車バス製造へと変わっています。なお、1994年下期車から側窓の支持方法が変わり、窓下の黒いラインがなくなるなど、外見的な変化が現れ、以降1995年式(1501〜)までほぼ同じ仕様で増備が続いています。二俣川駅北口にて撮影
1996年上期車 三菱KC-MP217M(1653 旭)

 「三菱エアロスター」と呼ばれるモデルの最後のグループです。1996年式は「1651」〜「1655」まで存在し、型式はMP217と低公害のMP237があり、MP217については横浜営業所の「1652」と旭営業所の「1653」が存在します。走行音に変化が表れたほか、車内ではエアコンダクトが従来の灰色からクリーム色に変わりました。保土ヶ谷駅東口にて撮影
1996年下期車 三菱KC-MP237M(1654 旭)

 1996年式グループのうち、「1651」・「1654」・「1655」の3台は蓄圧式ハイブリッドバス(MBECS-II)の三菱KC-MP237Mです。三菱の蓄圧式ハイブリッドバスは(MBECS エムベックス)と呼ばれ、相鉄では改良版2作目のMBECS-IIから存在します。「1651」が横浜、「1654」と「1655」が旭営業所に在籍します。前面に青色でMBECS-IIのロゴが入っているので、識別も容易です。なお、横浜車と旭車でロゴの付いている高さ(位置)が違います。
1997年下期車 三菱KC-MP317M(1751 横浜)

 相鉄では、この年式から「ニューエアロスター」に移行し、同時に初のワンステップバスとなりました。中扉に4枚折戸、側窓に上部可動・下段固定の銀色逆T字窓が採用されています。車内では、前扉の車内側が車内色に塗装され(神奈中などでは黒)、窓柱に白色の部品が使われるなど相鉄らしいこだわりが見られます。上星川駅にて撮影
1998年下期車 三菱KC-MP317M(1853 旭)

 1998年下期車は、ワンステップバス(MP317)と低公害バス(MP337)があります。このグループから後部窓直後のウインカー・ブレーキランプが小型化され、ワンステップバスは中扉4枚折戸ですが、低公害の蓄圧式ハイブリッドバス(MBECS-III)はツーステップバスで中扉が引戸となり、仕様的には逆戻りしています。鶴ヶ峰駅にて撮影
2000年下期車 三菱KL-MP35JM(1151 旭)

 ワンステップのロマンス車です。他の車両と区別するため、外部塗装もライトグリーンの縁に赤色の極細帯が巻かれています。車内には、背もたれが高いハイバックシートが配置され、前の方まで2人掛けとなっています。座席を多く配置するため、中扉は引き戸となりました。エアサス(空気バネ)が採用されています。
2001年上期車 三菱KL-MP33JM(1159 横浜)

 この年式から屋上のクーラーユニットの形に変化が出ました。先に登場したニーリングバスやロマンス車では、エアサスが採用されていましたが、このタイプは従来からのリーフサス(板バネ)が採用されています。中扉には車椅子用のスロープ板が設けられ、後部に「乗降中」のランプが付いています。鶴ヶ峰駅にて撮影
2001年下期車 三菱KL-MP33JM(1167 旭)

 このグループから行き先表示機がLED(発光ダイオード)による方式に変わったことが大きなポイントです。また屋上の換気扇のうち、後部のものが神奈中に見られるような四角い横流ファンへ変わりました。鶴ヶ峰駅にて撮影
相模鉄道バス・相鉄バスのトップへ トップページへ