横浜市営バス車両めぐり 日産ディーゼル車(西工)

 こちらでは、横浜市営に在籍する日産デ(日産ディーゼル)車のうち、西日本車体工業製の車体を架装したグループを紹介したいと思います。磯子・滝頭(たきがしら)・保土ヶ谷・浅間町(せんげんちょう)などの営業所に在籍します。ワンステップバスとノンステップバスが存在し、その均整のとれたスタイルは横浜市営カラーが非常に良く似合います。

2008/03/31 更新 3-4576のリアを追加です。


1997年上期車 日産デKC-JP250NTN(6-4477/6-4482 磯子)


▲一般塗装車としては横浜市営初の西工車となったJP250。

 超低床スロープ付きバスとして登場したワンステップバスです。この年式は、磯子営業所に登場した車両のみ西工車体が採用され、フロントガラスと行き先表示が独立した西工顔を横浜市営に始めて持ち込みました。フロントガラスは左右対称のB-Iボディが採用されています。中型車の車体幅に大型車並の全長で、エンジンは中型車ベースのものを使用しています。側窓の黒色サッシ上段引き違い・下部固定窓と外部新塗装の採用は富士重車体の車両と同じです。晩年は転属によって浅間町・滝頭にも当グループが在籍しました。


2003年上期車 日産デKL-UA452KAN(3-4561 滝頭)


▲本格投入が始まった西工大型車。ワンステップ、短尺バージョン。

 1997年式以来のワンステップバスです。最近の新車は専らノンステップバスとなっていた横浜市営ですが、山坂の多い路線などノンステップバスが走行困難な路線向けとして、また低床化があまり進んでいなかった日産デ車の営業所向けとして今回ワンステップバスが投入されました。意外にも横浜市営における日産デ大型ワンステップバスの本格投入というのは今回が初めてで、従来からいた大型ワンステップバスというと1997年上期の「6-4487」ただ一台だけでした。今回の車の基本的な仕様は同時に入ったノンステップバスに準じています。特徴的なのは中扉が大型車にしてはやや狭い狭幅4枚折戸が採用されていることです。滝頭・港北ニュータウンには短尺車が配置されましたが、港北ニュータウン営業所閉鎖や近年の大幅転属によって様々な営業所に在籍します。


2003年上期車 日産デKL-UA452MAN(3-4576/3-4577 磯子)


▲磯子の西工車は中尺で投入された。ワンステップ、中尺バージョン。

 2003年式ワンステップバスのうち、磯子に配置された中尺車です。上の滝頭車と比較すると、側面行き先表示窓と中扉の間で窓配置が異なっていて、狭めの逆T字窓(上段引き違い・下部固定)が2つ入っているのが分かります。やはり狭幅4枚折戸が採用されているためにこの窓配置となるようです。おそらく通常幅の4枚折戸を採用した場合には広めの上段引き違い・下部固定窓が1個という窓配置になると思われます。主に113系統で活躍しています。ダイキャスト模型の(株)ワンマイルでは、このグループが1/80スケールで模型化され、デイリーヤマザキの一部店舗・各模型店・市電保存館にて発売中です。的確に再現された模型を是非手に取ってご覧下さい。おすすめです。 桜木町駅にて撮影



ノンステップバス

1999年下期車 日産デKC-UA460HAN改(9-4534/9-4535 磯子)




▲横浜市営初の西工大型車。
96MCボディ、B-Iボディが採用され、大変美しいモデルとなった。

 磯子に「9-4533」〜「9-4535」の3台が配属されたグループです。ワンステップバスの走り装置をベースとしたノンステップバスで、日産デのノンステップバスとしては初のマニュアル車となりました。また、中扉部までがノンステップ、それ以降はツーステップという、後に登場するUA452系の「Gタイプ」ノンステップバスの試作的な車両で、車体は西工製、長さは最短尺のみの設定となっているのが特徴です。このモデルは全国的にも珍しく、横浜市営の他、東急バス・尼崎市営にのみ存在します(これらの事業者はB-IIボディ)。なお、仕様の変化として車内で三角形つり革をやめて丸形となりました。後に「9-4534」について前面の「ノンステップバス」の文字書体が丸ゴシック体となりました。しばらくは110系統の定期運用で活躍していましたが、同系統が京浜急行バスに移譲されてしまい、64系統で活躍しました。その後「9-4533」・「9-4534」については横浜交通開発へ譲渡されてしまったことから、市営車としては「9-4535」のみの存在となってしまい、晩年は58・64・99系統で活躍しました。


2003年上期車 日産デKL-UA452KAN改(3-4558 滝頭)


▲1999年式とは対照的な塗装でデビューした2003年式。仕様もだいぶ変更された。

 2001年以来の登場となる日産デの大型ノンステップバス「Gタイプ」です。この車は滝頭に配置された短尺車で、磯子にも在籍しています。車体は1999年下期車以来の西工製です。塗装は1999年式とは違い、2001年式に準じた塗装となり、前面のカーブ帯や帯全体の細帯化、窓廻り真っ黒塗装が特徴です。また、エアコンユニット形状が変化したり、車内降車ブザの電子音化、行き先表示はLED(発光ダイオード)の採用、左右非対称フロントガラスのB-IIボディが選択されたため、1999年下期車とはかなり趣が異なる仕上がりとなってしまっています。転属によって保土ヶ谷にも当グループが在籍したことがあり、79系統での運用が確認されました。


2003年上期車 日産デKL-UA452MAN改(3-4572/3-4564 磯子)


▲2003年式ノンステ。磯子の中尺バージョン。現在は滝頭にも一部が在籍。

 ノンステップバス「Gタイプ」のうち、磯子に配置された中尺車です。短尺車と比較すると、側面行き先表示窓直後の窓幅が広く、上段引き違い・下段固定窓となっているのが分かります。やはり1999年式との違いが結構見られ、リヤウインドウは一般的な一枚ガラスになり、エンジンルーバーは縦に細長い穴が増えています。転属によって港南にも当グループが在籍したことがあり、51・52系統での運用が確認されました。最近は一部の車が滝頭に移り、103系統で使用されています。


2004年下期車 日産デKL-UA452KAN改(4-4600 滝頭)



▲CNG仕様もついに西工ボディとなった。

 滝頭営業所には、引き続きCNG車が投入されましたが、富士重工業がバス製造から撤退したことから、西工96MCボディとなりました。外部塗色は引き続き白いものが採用されていますが、富士重工業製と比較するとかなり趣が異なります。幸いボディ全体の全面広告ラッピングは行われず、「はまりん」の絵が付いています。最近の転属で浅間町に移り、53系統でも使用されています。


2007年上期車 日産デPKG-RA274KAN(7-4606 滝頭)/2007年下期車(7-4620 磯子)


▲尿素SCRシステム(FLENDS)のRA274。


▲今回は磯子車も短尺車が投入された(2007年下期車)。

 横浜市営では三年ぶりの投入となった日産デ車は、今までのUA系からRA系へ変わり「スペースランナー」という名称が付きました。これに合わせて西工車体もモデルチェンジされた車体となり、今までの96MC車体との違いも多く見られます。RA274は尿素SCRシステム(FLENDS)車で、酸化触媒を通過した排ガスにあらかじめタンクに溜めてあった尿素水溶液(AdBlue[アドブルー])を噴射することにより、排ガスの成分と尿素水溶液の成分が混ざり合い無害化するシステムを搭載しています。滝頭・磯子の両営業所に投入されていますが、短尺車で統一されています。


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